• 命をつなぐ災害時の健康づくり
  • 笑顔と食事で愛を伝えよう
  • 熊本で全身・口腔の衛生状態改善の取り組み

  •  4月に震度7の地震に2度襲われ大きな被害が出た「熊本地震」は、発災から2カ月がたっても余震が続き、避難所や車中・テント生活を余儀なくされる人が少なくない。梅雨から真夏に掛けて増えてくると懸念されている肺炎など、生活が不活発な現状や口腔内などの衛生状態悪化を改善し健康づくりを進めようとする講演会などが熊本市内で相次いで開かれている。

  • 6月12日には、市民団体「食べて話してつながろう中央区応援隊」が「命をつなぐ災害時の口の健康づくり」をテーマに奈良県橿原市の北村義久歯科医師を講師に招き学習会を開催。災害時の健康全般に関する口腔の健康について1時間半にわたり北村氏がスライドを交えて話し、50人が時おりうなずいたりメモを取ったりしながら聞き入った。

  • 北村氏は講演の冒頭、「最近、子どもの口の中は『何かがおかしい』と感じている」と指摘。その上で、子どもたちは、母親の体格が細くなっているうえ、早産が増えていることや、昔ながらの遊びによる発達が見込めなくなったこともあり、口呼吸や低位舌が多く認められていることに警鐘を鳴らした。「発育や発達に沿った体感トレーニングが重要」と強調した。
  • 一方で、「入れ歯は細菌などが繁殖しやすく、ムシ歯などのハイリスク要因」とも言い、歯垢の顕微鏡の動画や、成人が歯磨きせず1週間過ごした実験などを通じ「4日間、口の中の清掃をしなければ細菌が1000億個にもなる。やはり朝昼晩きっちり食べることが重要だ」と述べた。
  •  続いて災害時の犯罪などについて、検察官出身の渡辺絵美弁護士が講演した。渡辺氏は「家庭で食卓を囲む、きちんと大人が子どもの話を聞く。そんな当たり前のことが犯罪を防ぐことを痛感している。笑顔と食事で愛を伝えたい」と話した。

  • また、前日の11日には市民団体「くまもと歯っぴーかむカムひごまる協議会」の笑福セミナーがあり、奈良県の吉田美香歯科医師が発達障がい児の歯科治療について講演した。吉田氏は北村氏らとともに診療している。最初に、「医療と人権」について触れ、災害時の医療に関する考えや、小児歯科医として妊婦や赤ちゃん、子どもたちの診療に当たっている現状や思いを話した。
  •  吉田氏は治療に関するスライドを見せながら、「子どもたちに伝えるべきなのは、お金などではなく、自然や人々、教育から得られる『どんな時にでもなくならないもの』。子どもたちはすごい力を持っている。まず身近な子どもたちを少し幸せにしませんか」と呼び掛けた。
  • 2016.6.12

「熊本地震」被災状況

南阿蘇村河陽地区では、国道325号沿いの駐車場に大きなひび割れが走り、住宅の1階が押しつぶされていた(4月23日)



熊本城の石垣が崩落し下の熊本大神宮の社殿を押しつぶした。(4月24日)








熊本市立一新小(馬場恵子校長)で、避難所を運営する地域住民と、市の吉良直子課長補佐(写真中)から実情を聴き取る中尾友美・協会理事(4月24日)

益城町辻の城では、立ち並ぶ住宅の基礎部分が2度の震度7の揺れで流出し、住めない状況になっている。(4月24日)






益城町寺迫は布田川断層の上に位置し、もっとも大きな被害が出た。住宅の全壊が目立ち、町全体が大きくひずみ、波打っている。(4月24日)

熊本市北区の「くすのきクリニック」(板井八重子院長)には全国の医療関係者が支援に入り連日、地域をまわって健康相談に乗った。(5月3日)





宇土市役所の4階部分が大きくつぶれ、立ち入り禁止となっている。(5月3日)

熊本市役所で吉良直子課長補佐(歯科医師、写真手前)から当協会の大崎公司会長(同左)ら、医師・歯科医師が被災状況等の説明を聴いた。(5月4日)






熊本市中央区の3階建ての歯科医院は1階の駐車場部分が押しつぶされ大きく傾いた。(5月8日)





益城町総合体育館には「車中泊」を含めると1500人ほどが避難している。「武道場」には同町寺迫、宮園、木山、辻の城地区など、大きな被害が出た住民が共同生活している。(5月8日)

2016.5.12

  • 「熊本地震」で福岡歯科協会会員らが歯科医療支援
  • 歯科へのニーズ非常に高く

  •  4月14日と16日、相次いで震度7の大地震があった「熊本地震」で、福岡県歯科保険医協会会員の歯科医師2人に、熊本市内の歯科医師や福岡市からの歯科衛生士らも加わり6人が同24日、熊本市立一新小学校(馬場恵子校長)などで歯科医療支援活動を実施した。

  •  支援活動では、相次ぐ強い揺れで自宅が崩壊するなどして避難している人たちの歯や歯肉、義歯などに関する相談やケアの希望などが数多く寄せられた。地震による将来不安などで十分な睡眠が取れず「口内炎が治らず痛い」との相談や、「避難の際に歯を打撲したが治療に行けない」、「義歯が汚れてしまい具合が悪い」などの切実な声が寄せられた。

  •  歯科医師らは歯磨き、うがいを薦めるとともに、散歩など軽度な運動をすることで全身の状態を向上させることなどをアドバイス。「長く歯科医院には行っていないが震災後、違和感がある」と言う人が少なくなく、歯科医師らは、窓口負担が猶予になっていることも説明し、「掛かりつけの歯科医院は再開したところが多いので、これを機会に受診してください」などと話していた。

  •  JR熊本駅からも近く、中心部に建つ同小学校には体育館や教室、廊下に374人が避難していたほか、近隣の寺社や、「車上泊」をしている人を合わせると、校区内に514人が不自由な避難生活を余儀なくされていた。校長とともに、PTAや地元自治会の関係者できめ細かく運営をしており、一見「理想的」に見えるものの、「食料などはあるが、歯ブラシやうがい薬は足りず、歯磨きや顔を洗う場所などが少ないのが悩み」と馬場校長。「わざわざ遠くから歯科相談やケアに来ていただき感謝しています。歯科へのニーズはとても高い」と話す。

  •  この日は4人の歯科医師・歯科衛生士らが市立西山中にも足を運び同様の支援活動を実施。地震による山の大規模な崩落や路面の陥没で国道57号が寸断され孤立に近い状態にある南阿蘇村にも協会会員が九州歯科大学、九州大学、福岡歯科大学らのチームとともに歯科医療支援に入った。

  •  5月になり熊本県内の避難者は2万人を切り小学校での避難はほぼ解消。避難所は集約されてきたが、自宅から遠くの避難所で慣れない生活を続ける人たちが少なくない。支援した福岡歯科協会の中尾友美理事は「東日本大震災にも支援に入ったが、急性期を過ぎたこれからが歯科の出番。ニーズを吸い上げて息の長い支援を続ける必要がある」と話す。

2016.4.23~24

  • 「シャルリ・エブド」襲撃から1年 厳戒態勢続くパリ
  • 「何をどうして良いか分からない」戸惑う市民たち

  • 左写真 レピュブリック広場に立つマリアンヌ像のたもとに献花するテロ被害者の遺族や友人たち。パリ時間1月10日午前10時過ぎ、杉山正隆写す
  •  フランスのパリで1月10日、昨年相次いだテロ事件の犠牲者を追悼する式典が開かれ、遺族や関係者など数千人が出席して犠牲者を悼んだ。フランスは今も非常事態宣言下にあり、会場となったレピュブリック広場(共和国広場)周辺は厳重な警備が敷かれた。
  •  式典では、昨年1月に風刺週刊紙「シャルリ・エブド」やユダヤ教徒を主な顧客とする食料品店「ハイパー・キャッシャー」が襲撃された事件で死亡した17人と、同11月の同時テロで亡くなった130人を追悼。オランド大統領とパリのイダルゴ市長が新たに植樹された木の前に花輪を供え追悼の碑を披露した。オランド大統領はパリ市内にあるイスラム教礼拝所のモスクも予告なしに訪問した。


  • 左写真 風刺週刊誌「シャルリエブド」本社前。襲撃事件から1年が経つ今も献花が絶えない。大通り(リシャール・ルノワール大通り)から1本、中に入った閑静な住宅街。 
  • 中央写真 昨年1月、フランス・パリ東部のユダヤ人向け食料品店「ハイパー・キャッシャー」が襲われ4人の人質が犠牲になった銃撃テロ事件から1年。現場の食料品店前では武装した警備員らが今も銃を構え近づく人たちをチェックし警戒している。 
  • 右写真 昨年11月、フランスのパリで130人が死亡した銃撃などのテロで、襲撃された劇場「バタクラン」横には2カ月近く経った今も生々しい銃痕が残り、市民らが不安そうに見ていた。(写真左が劇場「バタクラン」)

  •  レピュブリック広場は事件後、市民の追悼集会や言論の自由を訴える集会の場となっており、共和国のシンボルであるマリアンヌ像の前にはたくさんのろうそくや花束、犠牲者の遺影が並んでいた。

  • 右写真 レピュブリック広場に立つマリアンヌ像のたもとに献花するテロ被害者の遺族や友人たち。
  •  追悼式には大勢の市民が集まり、襲撃された新聞社への連帯を示す「私はシャルリ」と書かれたプラカードを掲げたり、フランス国歌を口ずさんだりして、テロに屈しない決意を新たにした。
  •  同広場は1年前、テロに立ち向かう160万人の市民らがデモ行進した出発点。市民の1人は「今も怒りと不安のはざまにあるが、テロに屈しない姿勢を示したいと思って来た」。別の参加者は「以前のような自由で平和な暮らしを続けたいと願ってはいるが、それが不可能なことも分かっており、とてもつらく悲しい」と話した。

  •  シャルリ・エブドの事件からちょうど一年目にあたる7日、パリ北部の警察署に刃物を持った男が「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んで侵入し警察官に射殺され、市民らは大きな衝撃を受けている。男は難民申請者用の施設に滞在歴があったという。

  •  シャルリ・エブド事件の後も、パリ市民は従来通り街頭に出てデモに参加していた。しかし、ごく一般的な身近な仲間や知人、友人までもが犠牲となった昨年11月の同時テロはあまりに衝撃的だった。市民は怒りや悲しみの中で、街頭デモで何かを変えられるとは信じられなくなってしまった。

  •  「あまりに隙だらけだ」との声がある一方で、「何をどうして良いのか分からない」。自由を謳歌し、自他ともに「人権先進国」と認めるフランス。常にその中心であり続けたパリは今、静まり返っている。官公庁や駅などは武装した兵士や警察が巡回し警戒しているが、非常事態宣言が出されているためというより「当惑が深いあまり、デモで意思表示をしようとの気持ちが消え失せつつある」との指摘も。

  •  容疑者が潜んでいたとされるパリ北部や、彼らの多くが生まれ育った隣国・ベルギーのブリュッセル近郊のモレンベーク地区は中近東などからのイスラム系移民が多数を占める。しかし、どちらも実際に歩いてみると当局が「テロ過激派の温床」というほどの雰囲気は無く、少なくとも昼間はベビーカーを押す女性や子どもたちの笑い声が響く「中東の町」のような平穏な空間があった。


  • 右写真 パリ北部のサンドゥニ大聖堂周辺は中東やアフリカの市場を思わせる雰囲気が漂う。昨年11月のテロ事件の犯人らが同地区周辺に潜んでいたという。彼らにとって居心地の良い場所であったことは間違いない。(パリ時間1月10日午後2時、パリ・コルビヨン通り周辺で) 
  • 中央写真 ベルギー・ブリュッセルの郊外・モレンベーク地区。イスラム教徒が半数を超すといわれる。ただ、歩を進める限りは特別な治安の悪さは感じず、時折、コーランの音楽が聞こえたり、中近東やアフリカの料理店、ショップが多いだけで、少なくとも昼間は子どもたちや女性も安心して歩ける街のようだ。 
  • 右写真 昨年11月にフランス・パリでテロ事件を起こした兄弟が経営していたとされるカフェ「レ・ベギーヌ」。ベルギー・ブリュッセル郊外のモレンベーク地区の西側に位置し、ごくありふれたカフェやバーのよう。階上の住民らは出入りしていたが、店の扉は閉ざされたままのようだった。

  •  テロ事件の現場はパリ「東駅」からヴォルテール大通りの数キロの徒歩圏内に集中する。東駅前には中東系の若い母親と3人の幼児が冷たい雨の中、座り込んでいた。見かねた老婦人がバナナを差し入れ母子はむさぼるように食べていた。ベルギーでもフランスでも、職の無いイスラム教移民の若者が少なくないとも聞いた。行き場のない閉塞感が多くの若者を過激思想に走らせるのでは、との指摘もうなずける。

(1月11日、フランス・パリで、ジャーナリスト 杉山正隆)


  • 「シャルリ・エブド」テロ襲撃から1年 特別号を発行

  • 左写真 事件から1年の特別号を出した風刺週刊紙「シャルリエブド」。まだ少し残部があるニューススタンドも。
  •  「シャルリ・エブド」は、事件から7日で1年となるのに合わせ特別号を発行しテロに屈しない姿勢を改めて示した。事件では、昨年1月7日、本社に男たちが押し入って銃を乱射、当時の編集長や風刺画家ら12人が死亡した。

  •  特別号は通常の10倍以上になる100万部を発行。表紙には「暗殺者は今も逃走中」とのタイトルで自動小銃を抱えた老人が走って逃げる風刺画を描き、宗教を巡りテロが頻発する状況を表現したと説明している。社説では「ジャーナリストは表現の自由に仕えるのが職責。テロリストがわれわれを殺すのではなく、われわれがテロリストの死を見届けるのだ」とテロに屈しない姿勢を強調した。

  • 市民らは同社の報道姿勢を評価し連帯の姿勢を示す一方で、「そもそも表現の自由も書かれる関係者の気持ちなどに最低限の配慮をする必要がある。テロが起きた現在は慎重であるべき」との声もあり、「売れ行きは予想ほどではない」(パリ東駅ューススタンド店主)という。
  • 右写真 パリの北駅(GARE DU NORD)・東駅(GARE DE L'EST)あたりはやや雰囲気の悪さを感じる。私も東洋人なので「マイノリティ」。アフリカ系やアジア系の人が多いのは嫌な感覚は無く、彼らのおかれた状況の厳しさは分かるような気がする。人権先進国フランスでもそうなのかと思い知らされる。

2016.1

  • 日本歯科医師連盟の迂回寄付事件 歯科界に大きな衝撃 
  • 患者・国民の視線きびしく 国民の歯科医療向上に資する歯科医師会へ戻れ

  •  現職の歯科界トップの逮捕に衝撃が拡がっている。公益社団法人「日本歯科医師会」(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連盟)の迂回寄付をめぐる政治資金規正法違反事件で9月30日、元連盟会長の高木幹正日歯会長、同連盟の会計責任者だった村田憙信連盟前副理事長、堤尚文連盟元会長の3人が同法違反(虚偽記載、量的制限)容疑で、東京地検特捜部に逮捕された。

  •  特捜部は東京の日歯・連盟をはじめ、京都、茨城、静岡、神奈川、兵庫、山口、大分、鹿児島などの府県歯連盟などに家宅捜索に入ったほか、石井、西村両参院議員から事情聴取。歯科はどうなるのか、と不安の声が上がっている。

  •  逮捕容疑は、高木、村田両容疑者は共謀して2013年7月の参院選の際、石井みどり参院議員(自民)の後援団体に、同1~3月に計9500万円を寄付。年間の法定上限額(5千万円)を超えていないよう偽装するため、5千万円分は「西村まさみ中央後援会」を迂回。また、堤、村田両容疑者は10年参院選の際、実際には西村後援会へ日歯連盟から計1億円の寄付をしたのに、そのうち5000万円については他の政治団体に一旦寄付した後、2か月後に西村後援会へ同額を寄付し直し、うその記載をしたとしている。(10年の上限金額の超過については時効が成立)

  •  日歯・連盟は2004年に自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件を引き起こし、当時の臼田貞夫日歯会長や政治家らが逮捕された。村岡兼造元官房長官らの有罪判決が確定した同事件を受け、政治団体間の年間寄付上限額を5000万円と同法が改正。今回、高木日歯会長らはその同法違反容疑で逮捕されたことで、「またも繰り返されたのか」と歯科界のみならず広く世間に衝撃が拡がっている。特捜部の幹部は取材に対し「前回の事件の反省が無い。他の団体に示しがつかない」と話し、徹底的に解明する意気込みをみせている。

  •  各メディアは「日歯・連盟、再び逮捕者」「なぜ繰り返す」などとトップニュースとして一斉に批判。「違法な巨額政治資金で国会議員を送り込み診療報酬を上げてきた」「変わらぬ体質浮き彫り」などと報道した。13年の参院選では日歯連盟は迂回献金分を含め少なくとも約4億円を支出したことが東京地検特捜部の調べで分かっており、仮にこれが選挙費用と判断され、法定選挙費用の上限である5200万円を超したと認定されると、出納責任者は処罰される。この場合は連座制の対象になり、議員の当選が無効となる。

  •  1998年には、日歯に入会すると連盟にも「当然加入」の名目で強制的に入会させられていたことが思想・信条の自由に反し無効として、福岡など全国の歯科医師が提訴。和解や判決を経て日歯と連盟は「峻別」することとなったが、「実際には表裏一体の活動を続けており判決などに反している」との指摘が根強い。

  •  歯科医師会は歯科医師を代表する公益性の高い学術団体。今回の事件は国民の歯科医療向上に資する歯科医師会へ戻る最後の機会と言えるのかもしれない。(杉山正隆)

2015年10月号 福岡県歯科保険医新聞

  • 医師・歯科医師らが広島の被災地で様々な支援

  •  8月22日未明に発生した広島市の大規模土砂災害で、避難所などでの生活を余儀なくされている市民に医師らが訪問して治療や医療相談にのる巡回診療が連日取り組まれた。22日夜は、広島共立病院(村田裕彦院長)の医師らスタッフ14名で5か所の避難所を訪問した。


  •  青木克明医師は看護師2人とともに、安佐南区の佐東公民館に。毎年、広島医療生協の総代会を開いており病院スタッフにとっておなじみの場所。「400人ほどの避難者がおり変貌ぶりに驚いた」(青木医師)。食糧、日常生活品は充足しているようだが、講堂や各部屋に所せましとマットが敷かれ、「保健師室」には同区介護保健担当で旧知の保健師がおり24時間交代で対応しているという。
  •  胃がんの術後で同病院を退院したばかりの女性から傷の痛みを相談され青木医師が診察したが、大事なく創傷保護フィルムを貼った。不眠で持病の頭痛がひどくなり、常用しているロキソニンがもらえないかと話す女性がいたが、同公民館には薬品はなく、止むなく自宅に戻り取って来てもらうことに。


  •  避難者の飼い猫に手をかまれた子どもも。緊急事態のため家族同様のペットをつれて避難した市民もおり、犬が2匹、廊下を歩いた。「ペット預かりのボランテアも必要と思う」と青木医師は話す。

  •  被災以降最初の日曜の24日には、広島共立病院や全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)、日本医療福祉生活協同組合連合会(医療生協)、日本医療労働組合連合会(医労連)などの医師・歯科医師や看護師らが安佐南区の被災地での災害支援活動に参加した。

  •  この日の支援活動では、八木、緑井地区で健康相談とともに、民家の土砂の除去作業や城南中学校での食事の提供などを支援した。緑井8丁目は大量の土石流が木や車を巻き込んで死者・行方不明3人を出した。道路が激流の川となり膨大な土砂とともに車3台と墓石などが埋め尽くして、これより上の家屋はほぼ孤立。すぐ下の民家は50センチの土砂に埋まり住民の出入りに支障が出ていた。100人が手分けして各戸で作業し通行できるようにしたほか、詰まっていて危険だった側溝の詰まりを取り除くなどした。


  •  温度は30度以下だったものの湿度は高く、高齢の住民に対し水分を取ることや作業はできるだけ若者にさせるよう看護師らがアドバイスし「少しでも体調がおかしいと思ったらすぐに連絡してください」と話した。住民の1人は「片づけに必至な時に、土砂の撤去を手伝っていただいたうえ、健康相談にも乗っていただき感謝しています」と話していた。

  •  避難の長期化が予想され、真砂土のもろい土壌の山を削って造成したことが被害を招いた「人災」との声が多く聞かれた。医療などの支援とともに、被害拡大の原因の究明と再発防止が強く望まれる。(杉山正隆、写真も)
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