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 ●第41回 福岡国税局との懇談

2025年1月29日(水) 第41回福岡国税局との懇談・回答
 
1.任意調査における署員の対応は紳士的に 
税務調査は、申告納税制度を担保する手段として必要なものであり、税負担の公平を確保し、納税者の税務行政に対する信頼を得ることを目的として実施している。また、税務調査は、その公益上の必要性と納税者の私的利益の保護との衡量において、社会通念上相当と認められる範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものであるとされており、従来、与えられた権限の範囲内で、適切に実施するよう指示している。当局の職員に対しては、税務調査等で、納税者と接する場合には、常識ある社会人として、また、税務職員としてふさわしい態度で接するように、日頃から接遇研修などを通じて指導しているところであり、今後も指導に努めていきたい。
 
2.カルテの呈示要求は中止を
質問検査権は、適正公平な課税に必要な資料・情報の取得、収集を可能とするために認められた権限であり、税務職員は調査について必要がある場合には、業務上の秘密に関する帳簿書類等であっても、その呈示・提出を求める場合があり、これは法令上認められた質問検査権の範囲に含まれると考える。
なお、業務上の秘密に関する帳簿書類等の呈示・提出を求める場合においては、職務上の守秘義務に係る法令の規定にも十分留意することとしている。また、税務職員には国家公務員法上の守秘義務とともに国税通則法により国家公務員法よりも重い守秘義務が課されている他、質問検査権行使により、取得、収集した資料・情報については厳格に管理していくところであり、ご理解とご協力をお願いしたい。
 
3.帳簿書類のコピーや持ち帰る場合には納税者の納得を
法令上、調査について必要がある時は、帳簿書類その他の物件の呈示もしくは提出を求めることができるものとされ、留め置きについても同様に、調査について必要があるときは当該調査によって提出された物件を留め置くことができるものとされている。
帳簿書類の検査・確認については、原則として、それらの書類が保管されている自宅や事業所等において行うこととしているが、やむを得ず留め置く必要がある場合や、質問検査等の相手方となる者の負担軽減の観点から、留め置きが合理的と認められる場合に、留め置く必要性を説明し、帳簿書類等を提出した者の理解と協力のもと、その承諾を得て行うこととしている。
また、提出を受けた帳簿書類等を留め置く際は、帳簿書類等の名称など、法定の記載事項を記載した書面を交付するとともに、必要に応じて留め置いた物件の写しを作成する場合があることを説明し、承諾を受けた上で、留め置くこととしている。
なお、税務調査は、その公益上の必要性と、納税者の私的利益の保護との衡量において、社会通念上相当と認められる範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものとされており、従来、与えられた権限の範囲内で、適切に実施するよう指示しているところだ。
いずれにしても、税務調査の実施にあたっては、納税者の理解と協力を得て行うものであることを十分認識し、その適正な遂行に努めていくものと考えている。
 
4.納税者本人にも税務調査実施通知及び終了の通知を
税務調査の実施通知の事前通知の関係については、国税通則法において実地の調査の際には、原則として事前通知を行い、調査を開始する日時、場所、調査の目的等を通知することとされている。この事前通知については、法令上、その方法について特段の規定はなく、また、調査着手前の事前通知の段階では、納税者が作成・保存する多種多様な帳簿書類
の中から、調査の対象となる帳簿書類を特定することが難しいことから、調査対象者が作成している帳簿等を確認しながら通知する方が、調査対象者における調査の準備に繋がることもある。
このため、基本的には電話により通知を行い、法令上規定されている通知項目が調査対象者に確実に伝わるよう配意している。
税務調査終了通知の件については、国税通則法において調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、納税者に対し、その調査結果の内容を説明することとされているが、法令上、調査結果の内容説明の方法については、特段規定されていない。
また、調査の結果、更正決定等をすべきと認められない税目、課税期間がある場合には、その旨の通知を書面により行うこととされている。実務においても、税務調査を行った結果、申告内容に否意があると認められた場合などにおいては、納税者に対して、否意の内容及びその金額を十分に説明しているところであり、必要に応じて参考となる資料を示すなどして、否意の内容について十分納得が得られるよう説明し、その過程において、納税者から質問等があった場合には、わかりやすく説明するよう努めている。
事前通知及び調査結果の説明は原則として、納税者及び税務代理人の双方に対し行うこととしているが、納税者の同意があれば、税務代理人に対してのみ説明等を行うこともある。なお、令和6年4月1日以後は、税務代理権限証書の様式に調査の終了の際の手続きに関する同意欄が設けられており、提出済みの税務代理権限証書にこの同意が記載されていれば、税務代理人に対して説明を行うこととなる。
また、提出済みの税務代理権限証書にこの同意の記載がない場合でも、納税者に直接同意の事実を確認する方法又は税務代理人を通じて同意を記載した税務代理権限証書の提出を求める方法により、納税者の同意を確認できれば、税務代理人に対して説明を行うこととしている。
いずれにしても、税務調査の実施にあたっては、個々の納税者が置かれた状況も踏まえつつ、法令に定められた手続きを遵守して適切に対応していく。
 
5.調査の日程は柔軟な調整を
税務調査の実施にあたっては、従前から納税者等の都合を伺った上で、必要に応じて調査日時等の調整を行っている。
また、法令上、納税者等から合理的な理由を付して、調査日時等について変更するよう求めがあった場合には、国税当局は、当該事項について協議するよう努めることとされており、納税者等からの求めに合理的な理由がある場合には、調査の適正かつ円滑な実施に支障を及ぼさない限り、調査日時等の変更を協議するよう努めていくこととなる。
いずれにしても、税務調査の実施にあたっては、納税者の理解と協力を得て行うものであることを十分認識し、その適正な遂行に努めていくものと考える。
 
6.改正電子帳簿保存法の運用について
電子帳簿保存法では、ご使用の電子機器の如何に関わらず、領収書等に相当する内容を電子データでやり取りした場合には、一定の要件を満たした状態で、その電子データを保存しなければならないこととされている。
このように、電子帳簿保存法は、取引先との間で、紙でやり取りした領収書等を電子データに変換して保存したり、電子データでやり取りした領収証等をプリントアウトしたりして、書面で保存することを義務付けるものではなく、あくまで、電子データでやり取りした領収書等を電子データで保存することを義務付けているものであることをご理解願いたい。
また、電子データの保存は、検索機能を初めとした一定の要件を満たす形で行っていただく必要があるが、猶予措置と
して、要件を満たすことができないことについて相当な理由があり、かつ、保存すべき電子データと、それをプリントアウトした書面を税務調査の際に提出できるようにしていれば、このような要件を満たさずに、単に電子データを保存することも可能とされている。
なお、この相当の理由とは、例えば、人手不足や資金不足システム整備や、社内のワークフローの整備が間に合わないなどといった事情が該当する。各事業者においては、こうした点を正しくご理解いただき、電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、実情に応じて、適切な保存のための必要な対策、対応をお願いしたい。
 

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