●第35回 福岡国税局との懇談

2019年1月17日
「カルテ呈示要求の中止」等を要請
 
 福岡国税局管内の福岡、佐賀、長崎と福岡歯科の4協会は税務行政の改善を求めて、「福岡国税局との歓談」を福岡国税局において行った。
 当日は福岡国税局側からは、総務部総務課 課長補佐ら3名が対応した。先ず、協会から懇談申し入れ書を手渡した後、各協会を代表して懇談への挨拶を行い、引き続いて福岡国税局側及び協会側との自己紹介が行われた。
 今回の懇談に際して昨年実施したアンケート結果をもとにして、①任意調査における署員の対応は紳士的に、②カルテの呈示要求は中止を、③帳簿書類のコピーや持ち帰る場合には納税者の納得を、④質問応答記録書の作成は十分な説明を、の4項目について懇談に先立って福岡国税局側に要請を行った。
 
 この4項目に対して福岡国税局から以下のような回答があった。
 先ず①「任意調査における署員の対応は紳士的に」については、当局の職員に対しては、納税者に接する場合には、従来から社会人、税務職員としてふさわしい態度で接するよう、日頃から接遇研修等を通じて指導しており、今後も指導を行っていきたい。
 
 ②「カルテの呈示要求は中止を」については、税務調査における質問検査権は適正公平な課税に必要な資料・情報を収得・収集するために認められた権限であり、そのため税務職員が必要であると判断する場合には提示・提出を求める場合があり、これは法律で認められた質問検査権の範囲内であると考える。なお、帳簿書類や証拠書類等の提示を求める場合には、職務上の守秘義務に係わることに十分留意し、厳格に管理するよう指導している、ということだった。
 
 ③「帳簿書類のコピーや持ち帰る場合には納税者の納得を」については、帳簿書類の検査、確認については原則として書類が保管されている場所において行うことを基本としているが、ただし、やむを得ず持ち帰ることがある場合には、納税者の理解を得たうえで、具体的内容を明記した預り証を交付するとともに、お返しする場合には相互確認のうえ預り証と引き換えに行っている。
 
 ④「質問応答記録書の作成は十分な説明を」については、質問応答記録書は、調査担当者の質問に対して納税者等から回答を受けたことについて事実関係の正確性を期するために、納税者等の理解と協力によって作成するもので、そのため強要していると受けとめられることがないよう指導を行っている。そして応じられないからといって、課税処分等で不利益な扱いをすることはない、ということだった。
 
 回答後は各項目に対して質問を行ったが、適度な緊張感が漂うなかで終始和やかな雰囲気で行われたことが非常に印象的で、最期に「第35回国税局との懇談」が実現されたことに対する感謝の気持ちと、「今回の懇談内容を各税務署に周知して欲しい、来年も懇談を引き続いてお願いしたい」等の要望を込めた閉会の挨拶を行い、懇談は無事に終了した。

福岡県歯科保険医協会

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