福岡県歯科保険医協会タイトル

 ●政策部解説

口から入るものは安全なのか
政策部解説vol.114 2019.5  
 最近、「国民の食と農やくらし、いのちを考えるセミナー」(JA福岡中央会主催)に参加した。講師は東大大学院の鈴木宣弘教授。以前から、輸入食品の添加物やGM(遺伝子組み換え)、牛肉のBSE、牛肉生産時のホルモン剤の使用など食の安全には気掛かりな事が多くあった。また、「食」に関連した種子法廃止、漁業法改正、水道法改正が行われたことに危機感を覚えているが、その危険性を殆どのマスコミは報道しなかった。昨年の本誌に種子法廃止、そして水道法改正の記事を掲載しているので気になる読者の先生方は一読をお勧めしたい。
 さて、表題の「口から入るものは安全」なのかと言うと、疑問符が付いてしまうと言うのが鈴木教授のお話。例を上げる。日本は、アメリカの穀物に世界一依存している。日本に輸出される小麦、大豆、トウモロコシにはラウンドアップがかけられている。もちろん、これらの穀物はGMである。世界ではGMとラウンドアップの発がん性が広く認識されている。こういうことから、EUはアメリカからの輸入に規制を強めた。ところが、日本は逆に、アメリカの要求に屈し、ラウンドアップの残留基準を多いもので100倍以上に緩和してしまった。当然、私たち日本国民は、毎日危険に晒されて生活している。
GM表示については、納豆などにある「遺伝子組み換え表示」。日本では重量で上位3位、重量比5%以上の成分について表示義務があるが、これが国際的には非常に甘い。BSEの問題について、輸入されるアメリカ牛の月齢制限を20ヶ月から30ヶ月に引き上げた事を以前本誌で書いた。日本政府の発表では、30ヶ月の牛は安全とのことで緩和されたが、これには根拠がない。極めつけは、アメリカはBSEの検査が行われていない。そして、そのまま日本に輸入される。その上、牛肉の危険部位の除去も行われていない。「危険極まりない」。
 最後に、「科学主義」と言うアメリカの主張を紹介する。言葉自体は何だか、良さそうな聞こえである。その実態は、日本が科学的根拠に基づかない国際基準以上の厳しい基準や措置を採用しているが、「低い基準のTPPに合わせろ」と言うのがアメリカ。根拠として「人が何人死んでも、その因果関係が特定できるまでは規制してはならない」のがこの科学主義。EUは「予防原則」でアメリカが何を言おうが危ないものは止めるが、日本はなぜかアメリカの言いなりである。「毒であると確定するまでは食べ続けろ」と言うのである。
 歯科医は口腔に関してのエキスパートであるが、口から入るものが今、どんなに危険になっているか熟考する必要があると考える。

不景気も、統計一つで好景気
政策部解説vol.113 2019.4  
 タイトルの標語、すでに先生方はご存知でしょう。厚労省の統計不正問題の最中、タイミングよろしく総務省が定めた2月1日の「統計の日」に標語募集に寄せられたものの一つです。余りにも統計不正に関係する辛辣な標語が多かったので急遽取り止めになったとの噂です。統計が不正な上に、それを隠蔽する。そして国会で追求されると理由を曖昧にする。これは他人事ではありません。ここ6ヶ月の金パラの問題です。前月号でも述べましたが、5%の価格変動があったら半年後の保険材料価格を変える、事になっているのですが、今年4月では保険改定がありません。因みに、私の利用している通販では3月2日現在54,100円(30g当たり)、去年9月25日では41,900円。その差額は12,200円。実に29%の値上がりです。
 さて、「5%の変動で保険材料価格を変える」はずが、29%でも変わらないのは厚労省の立派な「統計」があるからなのでしょう。先月号では厚労省からの情報開示がないと話しました。これに対して、保団連では情報開示請求を行いました。このまま黙っていては社会保障としての歯科保険が崩壊してしまうことを心配しています。
 表題のタイトルを変えて言いますと「金パラ価格、統計一つで据え置きか?」 こんなことでないことを切に祈ります。

4月以降の金パラの価格は据え置き?
政策部解説vol.112 2019.3 
 先月の記事で金パラ価格の去年9月からの推移のお話をしました。その後の金パラ価格は相変わらず高騰しています。2月6日現在で配信された金額は49,500円(税抜き)。ブランド品G社の「CW」は1月末に50,500円(税抜き)と伺いました。2018年10月改定の保険価格が41,000円から考えると、「上下5%の価格変動がある場合は、半年後の金属価格は変更する」ことになっていますが、4月以降の金パラ価格は2019年4月では改定なし、とのことです。
 この半年で約20%の変動があるにも関わらず「赤字で金パラを使え」と言うことです。もっと言いますと今年10月まで、この1年間、金パラの点数はずっとそのままです。
 会員の先生なら誰でも素朴な疑問が出ますね。「なぜ改定されないのですか?」「改訂の根拠となる資料は提示されないのですか?」などなど……
 保団連では毎年、厚労省との交渉を行っていますが、金パラ価格変化の根拠となる資料の提出を求めたことがありましたが、資料は開示されませんでした。こんなことを思っていると、今、世間の話題になっている厚労省の「毎月勤労統計の資料不適切調査」「隠蔽体質」、この2文字が真っ先に出てきます。敢えて「金パラ問題」と言わせて頂くとすると、調査の方法とそれを開示できないことがここにもあるのかと自然に考えてしまいます。改定がないなら、誰にでも納得できる説明を行うことが説明責任でしょう。
 さて、1月27日に行われた、保団連代議員会では当会の浦川先生がこの件についての発言がなされました。「保団連は厚労省交渉を行い、誰にでも分かる説明を求めていきます」との回答を得、今後交渉を行います。

最近の金パラ事情
政策部解説vol.111 2019.2 
 去年の秋から金銀パラジウム(金パラ30g梱包)の金額が鰻のぼりです。読者の先生方におかれましても痛感されていると思います。
 私の所に、ある通販サイトから金パラ価格の変動通知が不定期ですがメールで届きます。ずっとその変動を見ていますと実に急上昇していることが分かりました。ただし、先生方がディーラーから購入される際には、この価格に比べ多少の上下があることを予めお話ししておきます。
 数値を列挙しますと2018年8月21日41,900円、10月3日43,000円、10月29日44,700円、12月5日45,600円、12月28日48,000円(金パラ30g梱包1箱当たり)です。9月から12月の約3ヶ月間で6,100円価格が上昇しています。
 金パラメーカーの営業マンに伺ったところ、今の保険診療(2018年10月改定)では41,000円が設定価格ですので、大幅に割を食った状態になっています。
 原因は様々ありますが、金とパラジウムの価格が高騰していることに原因があります。特にパラジウムは産出国が南アフリカ、ロシアなど数カ国しかなく産出量も限定されて多くなく、市場規模が小さい。それゆえ投機規模によって簡単に価格が上昇する。また、パラジウムは自動車排ガス対策に需要の80%が使われているので、中国などの自動車新興国の自動車生産量が増加すると当然価格が上昇していく。
 こういった状況下において、細々と経営していく我々歯科保険医は、その価格に青色吐息です。作れば作るほど「赤字」になる事を余儀なくしなければならず、国民の健康を守るはずの「社会保障」が、赤字覚悟の診療となっているのが現実です。以前は2年に1度の金パラ価格の改定だったものですが、その変動が大きくなったことから、今では6ヶ月に1度の改定になっていますが、これでは追いつきません。
 そもそも、今の金パラが保険歯科代用材料として適しているものなのか、時価で購入する事が社会保障の材料として妥当なものなのか、一括して政府が買い上げ、それを保険医療にしてはどうなのか再度一考する必要があると思います。

保険算定の解釈
政策部解説vol.110 2019.1 
 

  •  昨年(平成30年)4月の診療報酬改定では実に煩雑な算定要件となりましたが、先生方におかれましては既に慣れてこられたと思います。協会、保団連では今次改正での収入の影響を調査致しましたが、1/3以上の医院では減収というアンケート結果を頂きました。様々な要因があると思われますが、その一つには複雑な算定要件の変化の理解が徹底されていないこともあると思っています。保団連は厚労省との交渉を定期的に行い、不合理是正を要求しています。保団連交渉の結果、見た目には点数は変わらないけれど、算定要件が緩和され点数の増加に繋がった一例を挙げます。
  •  機械的歯面清掃処置68点ですが、以前はP病名のときだけ算定出来たのが、C病名でも算定可能になりました。そして、妊婦には月1回の算定が可能になりました。算定要件の緩和で増点に繋がります。
  • また、処方料の外来後発薬品使用体制加算(施設基準あり)の算定では処方の度に算定が出来ます。細かな事を言えば相当数ありますが、保険のルールを理解した上で算定することが必要になります。
  •  当会に「レセコンでは算定可としてあるので算定したら、減点された」などのご質問がありますが、レセコンは道具です。算定可、不可は保険のルールを知った先生が判断されることで決してレセコンに頼ってはいけません。
  •  レセコンのソフトが間違っていることはしばしば個人的にも経験があります。逆に、レセコンでは「不可」とされているけれど「これはレセコンが間違い」として算定することもあります。歯科の技術の勉強や研究会参加も重要ですが、レセコン任せにせず、保険のルールの勉強が必要かと特に昨年の改定ではつくづく感じました。

来年10月から、もしかしたら上がるかもしれない消費税10%
政策部解説vol.109 2018.12 

  •  先月号の続きです。消費税の医療機関への影響は大きいです。再度、消費税とは、どういうものかを私的解釈で申し上げますと、「保険での診療報酬に消費税を上乗せ出来ない。だから、仕入れされた医療材料に課せられた消費税は、医療を受けた患者さんには転嫁できない。換言すれば、仕入れに関わる材料(金属、薬、印象材、石こうなど)、技工料金の消費税は医療機関がカブること。」そもそも消費税は、駅伝のタスキ渡しシステムのように、最終消費者が支払うことなのですが、医療にはこの原則が通じません。例外なのです。
  •  消費税非課税は、「売る」(医療の場合は診療行為)場合に消費税を課さない。仕入れの時には消費税を払う。それだけなのです。出るときには消費税を掛けて売れない。仕入れの時に払い転嫁出来ない消費税のことを「損税」といいます。
  •  保団連での主張での「ゼロ税率」とは、仕入れの時には消費税の負担がない。単にそれだけです。社会保険医療が非課税(売る時は、消費税を掛けられない)だから、せめて入る(仕入れ)時の消費税は掛けないで欲しい。そう言っています。
  • さて、2018年6月25日号の「月刊保団連」によると一医療機関の損税は2.31%。ただし、高額な医療機器を購入すると、この数値は上がると思われます。それに、10%の消費税率になれば益々損税は大きくなることは明白です。消費税が5%の時、損税全体では9000億円を超えていると言われていますが、単純計算で10%になれば1兆8000億円を越える損税になります。当然、それは主に国の懐に行くので、国はこれだけの税金をアテにしています。
  •  ところがそれと対照的なのが輸出企業です。輸出還付金制度で輸出企業には消費税分が還付されます。5%の時に3兆円の還付金があったので、これも10%では6兆円になり、消費税が上がれば上がるだけ「儲かる」ことになります。消費税が損税で苦しむ医療機関と消費税で儲ける輸出大企業の現実を思うと、不公平感が感じられます。消費税収が19兆円だった2015年の時を参考にすると、還付金額が6兆円に上り国に入ったのは13兆円ということになります。
  •  先月にもお話しましたが、労働分配率を下げ(所得を下げ)、このように還付金で儲け、法人税実効税率を下げ、そして内部留保を5年間で142兆円も積み増ししたことには矛盾を覚えます。
  •  資本主義経済では所得の再循環がないと成り立たない。この天文的なお金が全てとは言わないまでも半分でも回っていたら消費税など上げなくても8→10%に上げた時に5兆6000円億円の増収があると報道されていますが、内部留保の増額分を考えたら税率を上げるより下げることも出来るはずです。そうすれば、景気は上がります。このままでは増税に苦しむ国民と税制上儲かって笑いが止まらない大企業の構図が益々顕著になります。
  •  当然、身体の具合が悪くても「ガマン、忍耐」する国民が増えます。特に歯科医療は、所得弾力性が医療科目の中で一番高く、受診にブレーキが掛かります。その上、消費税の損税をまともにカブり社会的インフラである歯科医院の経営には大きな影響を与えることは明白です。
  •  まず、消費税10%は阻止しなくてはなりません。20年ほど前の橋本政権は、消費税を3⇒5%に実施したことで参議院選挙に大敗し首相退陣に追い込まれました。来年の7月に参議議員選挙があります。さて、消費税がどう投票に影響するのでしょうか。

都合のいい数字を出して捏造された統計
政策部解説vol.108 2018.11 

  •  「経済が良くなったから2019年10月から消費税を10%に増税出来る環境になった。」との麻生財務大臣がこの夏に語ったことを鮮明に覚えています。しかし、そうなのでしょうか。計算方法の上方操作へのカラクリを東京新聞や西日本新聞で論じられていましたので紹介します。
  • GDPについて
  •  日本のGDPは2015年までは500兆円くらいで推移していました。しかし、2016年12月にこのGDPの算出する計算方法を研究開発投資の項や様々なデータの入れ替えを行ったことで2015年度の数値は31.6兆円増え532兆円になりました。それ(2016年度)以降のGDPはこの計算法で行われてしまい2017年度は546兆円という数字になってしまいました。所謂、企業で言うなら粉飾決済をしたことになります。2015年の9月に安倍首相がGDPを「2020年頃までに600兆円」と言うことが反映されています。
  • 勤労者所得について
  •  「毎月勤労統計調査」からの厚労省が全国約3万3千の事業所から賃金などのデータから所得関連統計を出していますが、今年1月から作成手法を変更し、対象事業者の約半分を変えました。その結果1月から6月までの「現金給与総額」の伸び率は、いきなり大きな数字となってしまいました。特に6月は3.3%という数字になり、1997年以来21年5ヶ月以来の大幅な伸びでした。しかし、調査対象とならなかった半数強の事業者からの数値では先ほどの数値に大きく及ばない結果。
  •  この2つの結果だけでも分かるように、データの改竄で景気がいいことを強調しているに過ぎないと強く感じてしまいます。大企業の内部留保について、ご存知の方も多いと思います。2012年は304兆円で、毎年増加し続け、2017年では446兆円となりました。5年間で142兆円の増加です。
  •  企業が儲けることはわたくしも異存はない事ですが、労働分配率(労働者への還元)は、アベノミクスが始まる前の2012年度には72.3%でしたが、毎年低下を続け、2015年度は67.5%になってしまいました。
  •  確かに、企業は儲かっていることが読み取れますが、勤労者の所得はそうではありません。トリクルダウンにはなってなく、利益は川上でストップされています。景気がいい事(企業)と家計(個人)がいいのは訳が違います。もちろん、これらは来年の消費税増税の理由付けのデータにするのでしょう。
  •  医療機関の損税は、国民の生活、医療機関の経営はどうなるのか、次回には数字を上げてお話したいと思います。

始まりました歯初診(施設基準で医療機関の格差付)
政策部解説vol.107 2018.10 

  •  夏の中華料理店の看板にある(冷麺始めました)のようなタイトルですが、10月1日より歯科初診料237点(届出)、226点(未届)。歯科再診料48点(届出)、41点(未届)になりました。
  •  237点や48点の算定が可能になるには、10月1日までに厚生局に「歯初診」の届けを出さなければなりません。まだ、手続きをお済みでない先生方は、お急ぎ下さい。届出用紙は厚生局のウェブサイトからダウンロード出来ます。滅菌器の番号など所定の事項を書き込んで厚生局に送ってください(尚、最近通知があり10月10日までに厚生局に提出し受理されれば10月1日に遡り算定可能です)。そして、来年3月31日までに院内感染防止対策の研修会を受講し、その受講証を厚生局に提出、受理されることが必須条件です。受講証の有効期限は4年ですから、4年経過するまでに再度受講し、届出することになっています。何だか運転免許証のようですが、個人的には「絶えず勉強し研鑽するように」と解釈しています。
  •  さて、今次改定では、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)及び在宅療養支援歯科診療所(歯援診)の算定基準のハードルが上がりました。設備に対する基準に加えて、実績や日常の地域医療への関わりや取り組みが加わりました。詳細は「歯科点数表の解釈」(通称:青本)をご参照下さい。
  •  ここで届出猶予期間がありますが、今次改定前に「か強診」「歯援診」の施設基準を届出済みの医療機関では、2020年3月31日までとなっています。因みに、歯援診は1と2になりましたが、1の方がよりハードルが高く、経過措置として2020年3月31日までは歯援診2の施設基準を満たすものになっています。
  •  このように、施設基準の算定条件に合致するには、「設備」「実績」「地域の関わり」「歯科医師のポジション」など大きく関わってきます。雑駁に言えば、大きな診療所で、いろいろなポジションにいる所は算定可能、小規模な診療所は算定出来ない構図が浮き彫りになってきました。
  •  また、同じ処置を行っても施設基準の有無や違いで算定点数に差があります。窓口負担も大きくなり算定するのに躊躇してしまう、という声もあります。歯科の中だけで論じるより、患者、国民が納得出来る施設基準が求められると思っています。

防衛費と社会保障費のバランス
政策部解説vol.106 2018.9 

  •  今年の保団連夏季セミナーで記念講演に東アジア共同体研究所所長の孫崎享氏(元防衛大学教授、外交官)のお話に「例えば、1200km先の所から日本がミサイル攻撃を受けた時、飛来してきたミサイルを打ち落とすことは不可能。
  • なぜなら、ミサイルのスピードが速すぎ、発射された瞬間にその軌道を測定し、それを元にどこで迎撃出来るか計算する時間はない。例え分かったとしても、飛来したミサイル(2000~3000m/s)は、迎撃ミサイル イージスアショアなら(350m/s)より、迎撃用ミサイルのスピードは歴然と劣るので普通に考えたら物理的に命中しない。」因みに、PAC3でも1800m/s、更に、日本海に飛ばした早期警戒機が、ミサイル発射などの情報を得ても、悲しいかな、そのデータがダイレクトに日本に入って分析出来るのではない。
  •  日米安保協定では「早期警戒機で得た情報は一旦アメリカに全てを送り、アメリカからその一部が戻る」システムになっているとのこと。アメリカに行ったデータが解析され日本にその一部が戻され、それから迎撃ミサイル発射と流れになる。このことがどれだけ多くの意味を含んでいるか、読者の方々が深くお考えくだされば有難い。
  •  さて、上記の事をベースにして7月30日の東京新聞、産経新聞の記事を読むといかに無駄なことに膨大な国費(税金)を掛けることかが分かる。「地上イージス1基に1340億円で契約、当初より500億円も高くボッタくられた形」それに、維持費などを追加したら更に費用は跳ね上がる。秋田県と山口県に配備するから、少なくても2基以上だと考えられる。命中しないものになぜ多額の税金を掛けるのかという疑問が出てしまう。
  •  先程の孫崎享氏のお話の締めくくりとして、「防衛費が上がると確実にその反動として社会保障費がダウンすることを覚えておいて下さい」と言ったことは今でも心に焼き付いている。
  •  単純に計算したら、今後「1340億円×n」が社会保障費から削られるということなのだろうか。

乱暴な単価の切り下げには断固抗議
政策部解説vol.105 2018.8 

  •  今年4月から国保の運営主体が市町村から都道府県単位に移行しました。運営主体が変わっただけなのかというと、そうではありません。国保財政が厳しい自治体では今まで、国保税のアップ、一般会計からの繰り入れなど涙ぐましい努力で国保を維持しています。当事者ではありませんが、その苦労は相当なものだろうと思います。
  •  さて、市町村から都道府県に移管されることで、今後は都道府県が医療費抑制に関与してくることが当然考えられます。最近、奈良県が1点単価を都道府県の判断で下げることを奈良県内の医療機関に求めました。中医協での論議ではないのですが、物議を醸してくることは予想されます。奈良県に倣え、との動きが出ることも予想されます。
  •  高齢者医療確保法には、特定の県は他の県と異なった診療報酬を厚生労働大臣が決定できるという規定があることがその根拠であるのでしょう。
  •  都道府県の国保医療費削減を狙ってのことですが、この問題の根源は国保への国庫負担割合が45%から25%に下げたことです。 国保の被保険者は元来、経済的弱者や福祉の範疇に入る国民が多く、そのことを考慮すると、国庫負担金を下げれば、運営主体の都道府県(3月までは市町村)が財政難になることは必至です。このことを棚に上げ、1点単価を下げるというのはかなり乱暴な意見です。診療報酬は、技術料、材料料で成り立っており、その上、医療機関は消費税を被っています。国保加入者と医療従事者に溝を作り、医療制度が崩される心配をしてしまいます。
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精神力だけに頼るのは必ず破綻する
政策部解説vol.104 2018.7 

  •  福岡県歯科保険医協会(当会)主催の「施設基準研修会」は福岡、北九州、筑後地区でそれぞれ行われますが、多くの参加ご希望の先生方で当会は驚嘆し、また感謝申し上げております。しかしながら、この研修会の内容である感染予防とその保険点数を考えた時、どうしても釈然と致しません。
  •  感染防止対策が出来(滅菌されたハンドピースを患者ごとに交換)、研修会を受講し届けを行ったという3ステップが揃えば10月から基本診療料が3点引き上げられる。保険システムはこんなところでしょうか。当然、滅菌対策は多くの先生方が行っていますし、プロとして歯科診療への義務感、責任感、正義感は自覚しております。ただし、滅菌を行う上でハード面、ソフト面には当然それなりにコストが掛かります。それを3点(30円)で賄うことになります。誰にでも分かることですが、これ自体コスト割れであることは明白です。感染防止に掛かるコストは一体いくらなのか、素朴な疑問を持ちます。
  •  そんな折、日本歯科医療管理学会雑誌第51巻(2016)に掲載された広島県歯科医師会からのペーパーを興味深く拝見しました。これには外来環に対応する口腔外バキュームやAED、理想的な滅菌のためにウォッシャーディスインフェクター、クラスBオートクレーブなど理想的な滅菌システムを行う上で必要な機材を揃えるという条件はあるものの、それをベースにした時、1人当たりの感染対策費は1127円(112.7点)という結果がありました。ここまでのシステムでないにしても要求される滅菌システムにはそれ相当のコストが掛かります。
  •  歯科医師が診療するなら、「当然、滅菌して当たり前、それが義務であり、責任があるのだから」と言う「精神力」マターにしてしまう意見もありますが、成り立たないことをやれ、ということはそのコストを他から持って来ないと出来ないことになり、モラルの低下すら懸念されます。
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ピラミッド構造の「施設基準」と「歯管」
政策部解説vol.103 2018.6 

  •  読者の先生方におかれましては、新点数に改定され最初のレセプト提出をされたと思います。さぞてこずったのではないかと拝察致しております。私がお願いしている医療事務の方々も算定が難しく点検に慣れないことをお話されていました。今回の改定は、複雑なのでここまでは予定通りのことと思います。
  •  さて、今次改定もまた「施設基準」の網が掛けられた改定になったという感じがしました。
  •  そもそも、「施設基準」が登場したのは「補綴物維持管理料 (現 クラウン・ブリッジ維持管理料)」(補管)が変性した(補管を算定しなければ、加圧根充が算定出来ない、そして補綴物の装着時から70%の算定を余儀なくさせられてしまう)2000年以降「補管」算定は同時に「施設基準」を受け入れることになりました。因みに、この「補管」ですが、導入当時からかなり違和感を覚え、2000年以降、「オカシナ物」として考えています。
  •  さて、補管に始まった施設基準ですが、この4月より何項目あるのか調べてみましたところ32項目。それも、単独での施設基準ではなくて、「か強診」のように「補管」の施設基準が整い、届出を行っておかないと算定できないというピラミッド構造も前回の施設基準から導入され、今回では「か強診」は更にハードルが上がってしまいました。
  •  以前からありました「歯管」ですが、この「歯管」を算定しなければ算定出来ない施設基準を伴う検査 (咀嚼能力検査、咬合圧検査、舌圧検査)も入り何がピラミッドの底辺にあるのか相当理解して診療に当たななければ保険診療が出来ないシステムになってきたように思います。
  •  覚えておかないといけないのは届け出た施設基準を満たさないまま算定した時には大きなペナルティーが待ち受けていることです。施設基準が必要な診療には深い理解が必要です。
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