●第11回 九州厚生局と保団連九州ブロックの懇談会

第11回 九州厚生局と保団連九州ブロックの懇談会
2019年12月5日(木)
質疑応答まとめ
 
1.2019年度の指導などの変更点
【九州ブロック】貴局からはこの間、指導などにおいて標準化・平準化を進める旨のお話がありました。今年度の個別指導、適時調査などの実施要領での変更点があればご教示ください。
【厚生局】今年度の指導の実施要領において、変更点はありません。なお、各県の事務所が個別指導時に求める持参物や、編綴資料の様式などに差異が認められたものは、今年度、九州管内で原則統一しています。ただし、各保険医療機関の診療形態に応じて、必要な書類を追加して求める場合もありますので、ご理解をいただきたいと思います。 
 
2.集団的個別指導および個別指導の選定における類型区分について
【九州ブロック】内科には「在宅療養支援診療所」の類型区分がありますが、歯科および外科では同類型区分が無く、在宅医療への取り組みの有無で平均点数に差が生じます。指導大綱が施行された当時からすると、医療提供体制や医療機能の細分化が進み、標榜科による類型や指導対象医療機関の選定が困難になっていることは明らかです。在宅医療を行う医療機関は必然的に平均点数が上がることに鑑み、診療科に関係なく「在宅医療を行う医療機関」の類型区分を設けていただけないでしょうか。
【厚生局】集団的個別指導および個別指導の選定での類型区分は「指導大綱関係実施要領」で定められています。また内科における「在宅療養支援診療所」の区分は毎年発出される厚生労働省(以下「本省」)医療指導監査室長事務連絡で定められています。選定での類型区分は、当局独自で変更することはできません。ご要望があったことは本省に伝えます。
【九州ブロック】例えば、主な診療区分を外科から内科に変更したい場合などは、診療科に関わる届出用紙の先頭に書く診療科を変更すれば、自院の類型区分は変更可能なのでしょうか。
【厚生局】主な診療区分については、メインで行われている診療科を届出いただいていると思います。診療科に関わる届出用紙の先頭に書く診療科を変更すれば、類型区分の変更は物理的には可能ですが、外科をメインに診療している場合は外科を主な診療区分とするなど、実態に即した届出が望ましいと思います。
 
3.個別指導の選定について
【九州ブロック】いわゆる「5年サイクル」(高点数の医療機関が5年に1度、個別指導に選定されるサイクル)が継続される選定の仕組みの見直しについて、本省や貴局における議論は行われているのでしょうか。
【厚生局】個別指導や集団的個別指導の選定は、現在、指導大綱などに基づいて実施しています。当局独自で仕組みを見直すことはできません。本省も、選定について様々なご意見があることは承知しています。ご要望があったことは本省に伝えます。
 
4.個別指導時の持参物について
【九州ブロック】歯科での個別指導通知にある事前提出書類「保険医療機関(歯科)の概要」の中で、自費診療の「月平均人数、月平均金額」との項目がありますが、保険診療と直接関係がない自費診療の人数や金額の記載を求められることに違和感があります。報告はなぜ求めるのでしょうか。医科ではそのような記載はありません。
【厚生局】「保険給付外治療の取扱い」という留意事項通知には、保険給付外の材料などによる歯冠修復および欠損補綴については、歯科治療の特殊性に鑑み、歯冠修復にあっては歯冠形成以降、欠損補綴にあっては補綴時診断以降を保険給付外の扱いとすると明記されています。歯科では、保険診療として開始された治療が途中から自費診療に移行するケースが多々ありますので、その場合の診療録の記載内容は、個別指導における確認の対象になります。近年では、本省が公表している監査などの事例を見ると、全国的にも保険給付外の補綴物を保険請求している事例もあります。当局としては、保険診療と自費診療をどの程度実施しているか、あくまでも参考として記載を求めていますので、ご理解いただきたいと思います。なお、医科についても、自費診療をしている医療機関には、必要に応じてその内容を確認しています。
【九州ブロック】参考ということであれば、大まかな人数や金額を記載すればよいのですか。
【厚生局】直近3カ月程度で算出した概算で結構です。
 
5.個別指導時に持参物が不足している場合の取扱いについて
【九州ブロック】2018年9月に本省医療指導監査室から出された『医療指導監査業務等実施要領(指導編)平成30年9月版』(以下「要領(指導編)」)の文言中に「持参していないことにより指導に支障が生じる場合は……、取りに行かせるか又は従業者に持参させるなどの臨機応変な対応を行う」との記述があります。個別指導時に持参物が不足している場合は、上記のような対応がされ、「持参物が不足していることを理由に指導を中断することは無い」との理解でよいでしょうか。併せて、持参物の不備で多い帳票類を教えてください。
【厚生局】持参物が不足していて指導に支障をきたす場合には、各県事務所は実施要領に従い、取りに行かせるか、または従業員に持参させるなどの対応を行っています。ただし、指導時間中に持参が間に合わず、そのことにより指導の目的を果たせないケースでは指導を中断することもありますので、ご理解いただきたいと思います。なお、持参物の不備が多い帳票類は様々です。持参物で不明な点があれば、事前に各県事務所にご相談ください。
【九州ブロック】私たち医療機関にとって、持参物の準備は非常に大変であるということをご理解いただければと思います。持参物が不足している場合は、状況に応じて、後日郵送でも可としていただければ、被指導者も安心して指導を受けられるのではないかと思います。
 
6.個別指導の「結果通知・指摘事項」の発出について
【九州ブロック】個別指導後の「結果通知・指摘事項」の発出は、従前より、指導日から1カ月以内の発出を遵守するよう各県事務所への周知を要望し、貴局からは「発出までに2カ月を超えている場合は長過ぎると思う」との回答をいただいています。しかし、福岡県の「新規個別指導結果通知」において、2018年10月から2019年3月に実施された74件中29件が60日を超えて発出され、中には半年を超えたケースが存在しました。また長崎県では、2017年度までは1カ月以内に発出されていましたが、2018年度は4カ月を要しているケースもありました。発出までの期間が長期化されている傾向が見られますが、なぜでしょうか。
【厚生局】結果通知は、指導後概ね1カ月以内、遅くとも2カ月以内には発出するよう各県事務所に周知していますが、各県事務所の諸事情により遅れるケースがあることも把握しています。今後とも、指導結果通知の早期発出については各県事務所に周知していきます。なお、算定の可否や自主返還を求めるか否か等について、当局、場合によっては本省に確認した上で判断することが稀にあります。そういうケースでは何カ月か遅れることがありますので、ご理解いただきたいと思います。
【九州ブロック】指導を受けた保険医療機関は、結果が出るまで不安で落ち着かない状況を過ごしています。やむを得ないケースもあると思いますが、早期発出のご尽力をお願いいたします。
 
7.個別指導後の措置の判定について
【九州ブロック】2018年3月22日付事務連絡『個別指導後の措置の判定に関する留意事項について』が、本省医療指導監査室長より発出されていますが、措置判定の判断基準について、抽象的な表現となっています。例えば、「概ね妥当」の判断基準として「返還事項が軽微である」と書かれていますが、どの程度の返還事項であれば軽微と判断されるのか、また、「経過観察」や「再指導」の判断基準の中で、「内容が重大」「重大な問題」と書かれていますが、重大か否かを判断するポイントは何かなど、具体的にどのような点をもとに判断されているのでしょうか。
【厚生局】単に指摘事項の数だけでは判断していません。指摘事項が重要な項目である場合や、広がりがある場合などについては、確認された事項を総合的に勘案して判断していることをご理解いただきたいと思います。例えば、医学管理の各管理料には、指導内容の要点をカルテに記載する、患者に渡した文書の写しをカルテに貼付するなど、色々な算定要件がありますが、全くカルテ記載をしていない、あるいは算定項目しか記載していないような事例が多岐にわたる場合は、非常に「重大」だと判断しています。また、ほとんどの事例できちんと記載されているけれども、たまたま1件のみ記載されていなかったなどの場合は「軽微」と判断しています。
 
8.個別指導後の措置の中の「経過観察」について
【九州ブロック】個別指導後の措置の中の「経過観察」について、指導大綱では、「経過観察の結果、改善が認められないときは、当該保険医療機関などに対して再指導を行う」と示されています。また「要領(指導編)」には、「改善報告書受理後、数か月の間、レセプト又はその他必要に応じ保険医療機関などから提出を求める書類により改善状況を確認し」と示されています。「経過観察」と通知された会員から、どのような事項を改めて観察されるのかを不安視する声がよく寄せられます。次の①~④の取扱いについて具体的にご教示ください。①レセプトは、支払基金と国保連合会の双方の分を確認されているのでしょうか。②レセプトは、毎月確認されるのでしょうか。また、確認する件数は1月あたり何件でしょうか。③確認は「改善報告書受理後、数か月の間」と示されていますが、その期間は何カ月でしょうか。④「その他必要に応じ保険医療機関などから提出を求める書類」の具体例および確認方法をご教示ください。
【厚生局】①~③については、それぞれの保険医療機関の指導結果の内容に応じて改善状況を確認するので、レセプトの確認期間や確認件数などはケースバイケースとなるため、一律の回答はできません。④については、例えば、診療情報提供書や患者への提供文書などで、要件を満たさない様式を使っていた場合は、後で修正後のものを提出いただき、確認するケースがあります。なお、提出は基本的に郵送で構いません。
 
9.院外処方・院内処方の格差調整のための「補正点数」の公表について
【九州ブロック】2016年の貴局との懇談で、院内処方と院外処方の格差を調整する補正点数の一覧表について、東北や東海北陸、近畿など、他の厚生局では開示されているところもあるため、貴局においても開示していただきたい旨を要望し、「要望として承る」との回答をいただいています。補正点数の開示は可能でしょうか。
【厚生局】指導対象の選定についての基本データは、各県事務所で独自に作成しているわけではなく、例えば医科であれば、診療科ごとの類型区分と、院内処方と院外処方の格差を補正したデータが本省から送られてきます。このデータに基づいて保険医療機関の選定を行っているため、院内処方と院外処方の格差を補正する点数の一覧自体を各県事務所で独自に作成する必要は無いと考えています。2017年度からは、九州厚生局のホームページに補正後の診療科別平均点数一覧表を掲載しています。併せて、保険医療機関の開設者、管理者から、自院の平均点数に関する問い合わせがあった場合には、補正後の平均点数を回答する対応を各県事務所で行っています。以上のことを考えると、2016年の時点では補正点数の開示によって自院の平均点数の位置を知りたいというご要望があったと思いますが、そのご要望には既に応えていると考えています。
【九州ブロック】現在、東北と近畿では、集団的個別指導を受ける保険医療機関に対して、医療保険一般分、後期高齢者分それぞれにおける院内処方と院外処方の格差を調整する補正点数が記載された診療科別平均点数一覧表が開示されています。自院の平均点数の位置だけではなく、補正点数の一覧表から見えてくる新たな事実もあると考えますので、補正点数表の作成について検討していただければと思います。
 
10.指導対象の新選定指標策定の検討状況について
【九州ブロック】2019年3月に、歯科について「保険医療機関等の指導に関する新選定指標策定に係る調査分析に関する報告書(注)」が取りまとめられていますが、その後の新選定指標策定の進捗状況についてご教示ください。
(注)高点数による選定は、診療内容の適切さ等(指導の必要性)を直接反映するものではなく、指導対象となる医療機関が固定化されてしまうという問題もあることから、新選定指標の策定に向けて、現在の選定基準による指導結果を検証するためのデータベース構築や調査分析を行った結果に関する報告書。
【厚生局】これは本省が対応しているものです。本省に確認したところ、昨年度の基礎的調査を踏まえて、今年度は本格的に都道府県での個別指導データベースの構築を図るとのことです。
【九州ブロック】医科と歯科で進捗状況が若干異なり、医科ではこれから調査を行うということですが、歯科では既に調査結果が公開されています。本省の会議などで、調査結果を踏まえた上で新しい選定方法の具体案が挙がったことはありましたか。
【厚生局】今のところはまだ、データベース構築の段階と聞いていますので、新しい選定方法の具体案が出されるのはまだ先だと思います。
 
11.歯科施設基準研修会資料の事前提出について
【九州ブロック】前回の診療報酬改定後に行った懇談において、貴局より「歯科の施設基準のために貴会(協会)が開催した研修会について内容が不十分な事例があった。研修会の開催においては事前に資料を提出いただきたい」との説明がありました。この扱いをしているのは、全国の厚生局の中でも貴局のみのようですが、今後も研修会の開催前に事前に資料を提出し、内容について了解を得る必要があるのでしょうか。
【厚生局】研修内容や資料が十分なものであれば、事前提出を義務づけるものではありません。医療関係団体主催の研修だからといって、全てが施設基準に対応する研修会として認められるという訳ではないということです。内容が充実した研修会を開催していただきたいと考えています。
 
12.指導は行政手続法に基づいて実施するよう徹底してください
【九州ブロック】指導は行政手続法に基づいて実施するよう徹底してください。また、前回の懇談の際、「個別指導などの各種指導は、特別法である健康保険法の規定に基づくものであり、健康保険法に定めのない事項については行政手続法が適用されますが、一般法である行政手続法に優先して実施されるものとなります」との説明がありましたが、本省が根拠として示しているものがあるのでしょうか。
【厚生局】昨年の懇談で、行政手続法は一般法ですので、特別法である健康保険法を優先して指導を実施するとお答えしています。個別指導などの各種指導については、健康保険法の第73条などに規定されており、具体的な取扱いについては、指導大綱、指導大綱関係実施要領などに定められています。また、行政手続法第1条「目的など」の第2項に「この法律に規定する事項について、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる」と規定されていることから、個別指導などの各種指導については、一般法である行政手続法に優先し、特別法である健康保険法の規定に基づいて実施されるものと考えています。
【九州ブロック】健康保険法の中で『行政手続法の規定は適用しない』と定められているのは、同第39条「(被保険者の)資格の得喪の確認」の箇所だけであり、同第73条「厚労大臣の指導(個別指導等)」の箇所には『行政手続法の規定は適用しない』との定めはありません。よって、個別指導等の各種指導については行政手続法の適用を受けると考えていますが、いかがでしょうか。
【厚生局】当局は政策の実施機関ですので、法律を議論する立場にはないと考えています。
 
【要望事項】
1.個別指導対象患者名の早期通知について
【九州ブロック】個別指導の対象患者名の通知は、2016年度より1週間前に20人分、前日に10人分とされましたが、前日の通知では、持参物の準備に相当な時間を要し、中には診療時間を割いたり、従業員の時間外労働や、医師が徹夜をしないと間に合わない場合もあります。全ての対象患者名を早期に通知いただけるよう、引き続き本省への働きかけをお願いします。
【厚生局】ご要望があったことは、本省にお伝えしています。本省としては、当面は現在の運用により個別指導を進めたいと考えており、今後も引き続き、個別指導の効果的かつ効率的な運営のために必要な検討を行う、とのことです。
 
2.集団的個別指導などの実施日時について
【九州ブロック】集団的個別指導などの実施日時について、地域医療への影響などを考慮し、2016年、2017年の懇談の際に「夜間開催」を要望し、要望として承る旨をご回答いただいています。集団的個別指導などにおける指導日時について、夜間開催を制限する記載はなく、実際に「平日夜間」に実施されている県もあります。九州管内の全ての事務所が平日夜間に開催するよう改めて要望いたします。
【厚生局】ご要望があったことは、各県事務所にお伝えしています。実際の指導の日時や場所については、会場や被指導者の状況など諸事情を勘案して各県事務所が決定していますので、ご理解をお願いします。
 
3.県事務所との懇談について
【九州ブロック】各保険医協会においては、指導に関する講習会などを行い、保険診療のルールの徹底やカルテ記載の充実などを会員に周知し、微力ながら保険診療の充実を目標に取り組んでいます。各県事務所と各県の保険医協会との懇談の要望があった場合には、実施できるようご尽力をお願いします。
【厚生局】当局が設置される以前に各県で差異があった指導などの取扱いを、現在、九州管内で統一している状況です。各県でそれぞれ懇談が行われると、再び指導などの取扱いに差異が生じるおそれがあります。そのため、各県事務所との懇談はご遠慮いただいています。ご意見は当局との懇談で伺いたいと思います。
 
4.開示文書について
【九州ブロック】貴局から開示された文書の中には、文字が不鮮明で判読し難い文書が少なからず見受けられます。容易に判読できる状態で開示してください。
【厚生局】元々がカラーで作成されている資料を紙に印刷して開示した場合、判読が困難になることがあります。私たちも容易に判読できる状態で開示できるように努めてまいります。また、紙ではなく、データでの資料提供も可能です。
【九州ブロック】データで提供いただけるということですが、その際の申請方法は通常の行政文書の開示請求手続きでよろしいですか。
【厚生局】通常の手続きで結構です。

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