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 ●第13回 九州厚生局と保団連九州ブロックの懇談会

2022年2月10日(木)第13回九州厚生局との懇談会・質疑応答まとめ
 
≪前半内容≫
<質問・要望事項>
1.九州厚生局YouTube公式チャンネル(専用URL)で配信される集団的個別指導用動画について
【九州ブロック】
 集団的個別指導は、現在、新型コロナ感染拡大の影響を鑑みて、九州厚生局YouTube公式チャンネル(専用URL)による指導用動画の視聴等により集団的個別指導の開催と出席に代えている場合もあるとお聞きしております。普段より保険診療の理解を深めることができるよう、指導用動画を専用URLなしで常時掲載し、集団的個別指導の選定を受けた医療機関以外の一般医療機関でも視聴できるようにしていただけると、卒後、保険医取得後の保険診療への理解が深まるのではないでしょうか。
【厚生局】
 指導用動画を専用URLなしで常時掲載することは考えておりません。ただし、指導用資料(スライド資料・冊子資料)は、厚生局ホームページに掲載しており、どなたでも閲覧可能になっておりますので、そちらをご覧いただき保険診療の理解を深めていただければと思います。
 
2.新型コロナウイルス感染拡大の影響で個別指導が延期される場合について
【九州ブロック】
 新型コロナ感染拡大の影響で、前日になって急遽、個別指導が延期されるケースがありました。被指導医療機関には、前日までの間に持参物の準備等で多大な負担がかかることを考慮して、下記の取扱いとしていただけないでしょうか。
 ① 延期の見込みがある場合は早めにご連絡いただけないでしょうか。
 ② 延期前に指定した持参物(対象患者のカルテ等)については、同じ年度内であれば、延期後の指導時においても同じ持参物としていただけないでしょうか。
【厚生局】
 ①指導延期については、新型コロナのまん延状況等を考慮して慎重に判断しており、延期の見込みがある場合だけ(延期の検討段階)での連絡は難しいです。可能な限り早めに判断するように努めていきたいと思います。
 ②指導用のレセプトについては、可能な限り指導月に近い時期のものを選定するようになっております。持参物の準備等が無駄とならないように延期の判断を早めに行なうように心がけていきたいと思っております。
【九州ブロック】
 「指導月に近いレセプト」ということは、指導が月を少しまたいで延期になった場合には、元々の指導対象レセプトからまた変更して選定し直すということでしょうか。
【厚生局】
 個別判断になると思いますので、ご理解いただければと思っております。
 
3.歯科施設基準研修会の開催形態について
【九州ブロック】
 歯科の施設基準に係る研修会は、新型コロナ感染拡大の影響もあり、現在はオンデマンド方式でも可ということになっておりますが、オンデマンド方式でも可となっている県については、引き続きこの取扱いを継続していただけないでしょうか。
【厚生局】
 「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その21)」令和2年6月10日発出に沿って、現在は、医療関係団体が実施し、必要な内容が網羅されたものであれば、Web配信による受講でも可となっております。コロナ収束後のことについては、厚生局で回答できるものではございません。ご要望があったことを本省の方に伝えます。
 
4.レセプト摘要欄への記載事項のコード化について
【九州ブロック】
 レセプト摘要欄への記載事項について、一昨年(2020年)の10月診療分(11月請求分)より、新たに約1700項目のレセプト電算処理システム用コードが設定されました。膨大な量の項目がコード化されたことにより、これまでは必要な記載事項を単純に入力するだけで良かったものが、10月診療分以降は、項目ごとに9桁にも及ぶ該当コードを選択・入力した上でさらに記載事項を入力することが必要となり、事務負担が大幅に増えているのが現状で、窓口での混乱も見られます。熊本県保険医協会が実施したアンケート調査でも、そのような状態が窺える結果となっております。現在の貴局への問い合わせ状況はいかがでしょうか。また、改善の方向性はあるのでしょうか。
【厚生局】
 コード化が導入される前後については、記載方法等の照会が多くあったということは確認しておりますが、導入から1年以上経過した現在は、保険医療機関からの照会がほとんどないと聞いております。
また、改善の方向性ですが、厚生局では、変更や改善予定は承知しておりません。本省には現場のご意見として伝えます。
 
5.診療報酬改定時の厚生局への質問対応について
【九州ブロック】
 今年4月に行われる診療報酬改定後、改定内容に関する様々な質問が貴局や各県事務所に寄せられると思いますが、
 ① 前回同様、質問の受付形式はFAXのみとなるのでしょうか。
 ② 貴局のホームページ上で、「よくある質問」とその「回答」を公開していただければ、多くの医療機関が閲覧及び参考にすることができ、貴局や各県事務所に寄せられる質問内容も重複せずに済むのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
【厚生局】
 質問の受付形式はFAXのみを考えています。「よくある質問」というのは、最終的には本省の医療課から疑義解釈が発出されるので、現段階においては厚生局において別個に掲載する必要性はそれほど高くないと考えていますが、状況に応じて判断したいと思います。
【九州ブロック】
 FAXでの質問については、電話での回答ではなく、文書での回答をいただけないでしょうか。
【厚生局】
 各県事務所への診療報酬改定での照会は例年相当数が寄せられている状況で、質問があれば早期の回答となるよう取り組んでいます。文書で回答するとなると、職員の負担増や決裁等の事務処理に時間を要し、結果的に質問への回答が遅れることが懸念されるため、口頭により回答しております。
 
≪後半内容≫
 ここからは、過去の懇談での質疑応答のテーマの中から、以下の1~7のテーマを選んで今回の意見交換の議題とした。
<個別指導・監査>
1. 高点数による選定ではなく、機械的にローテーションで全員が個別指導を受けることについて。(第3回懇談:2011年12月15日)
【九州ブロック】
 特に歯科では、訪問診療をされている先生やレセプトの取扱件数が少ない先生は、5年に1回は高点数で個別指導に選定されているという状況です。訪問診療に行くと平均点数が高くなるので、躊躇するところがあります。現在の個別指導のような形ではなく、教育的指導という形で、数枚のカルテで個別指導を行うという方法もあるのではないかと思います。
 今回、過去の開示請求した資料を元に「平成29年度の個別指導の選定件数および実施件数(都道府県別)」をグラフ化してみました。九州では福岡以外は、ほぼ計画的に行われておりますが、都市部は計画通りに行われていません。このグラフから高点数による個別指導は平準化されてなく、地域によっては温度差があることを考慮していただいて、本省には新しい指導大綱を作っていただければと願っております。
【厚生局】
 恐らく高点数の医療機関の中の上位4%程度の計画件数のグラフと高点数を理由とする選定件数のグラフだと思います。
 都市部と地方でグラフに差があるのは、都市部では情報提供等が多く、それらを優先して実施しているからです。その一方、地方は情報提供等の件数が都市部と比べ少ないので、高点数を理由とする個別指導の実施が計画的にできているということだと思います。本省には現場のご意見として伝えます。
【九州ブロック】
 本省で新しい選定指標を模索中ということで、歯科の方で先行して分析結果を出し、それに基づいて進めて行くということでした。2019年3月に「保険医療機関等の指導に関する新選定指標策定に係る調査分析に関する報告書」が公表され、それに基づいて新しい選定指標に向けた協議をされていると思いますが、厚生局として何か情報はありますでしょうか。
【厚生局】
 本省の方で協議していることは承知していますが、現時点では、新選定指標の策定には至っていないという状況です。
 
2. 懇切丁寧な指導について。(第2回懇談:2011年6月30日)
【九州ブロック】
 以前に比べ指導に関わるトラブルは減少していると感じておりますが、引き続き、指導をする方も受ける方もルールに則って、より適正な保険診療、請求業務となるよう、指導の本来の目的が達成されるよう改めてお願いいたします。
【厚生局】
 引き続き、懇切丁寧な指導を心がけていきたいと考えております。また、弁護士帯同や録音については、事前にお申出いただければ弁護士帯同時の注意事項の説明や録音が必要な理由の確認を行い、認めているところです。
【九州ブロック】

 以前に弁護士帯同に関して、弁護士は後ろに着席するよう位置まで指定されていたようなことがありましたが、現在はどうなっているのでしょうか。
【厚生局】
 あくまでも帯同ということで、同席ではありませんので席は基本的には別にされているかと思います。
 
3.被指導者からの質問時間を指導の場で設けることについて。
(第3回懇談:2011年12月15日)
【九州ブロック】
 個別指導時に医療機関からの質問時間を設けていただけないでしょうか。
【厚生局】
 指導に関する質問であれば構いませんが、指導は限られた時間の中で行いますので、指導に関係ない事項については別途FAX等でご質問ください。
 
4.個別指導の結果の判断基準について。
(第7回懇談:2015年11月19日)
【九州ブロック】
 「経過観察」や「再指導」等の個別指導結果の判断基準が明確に定められておらず、「再指導」は再度指導を行わなければ改善状況が判断できない場合であり、改善報告書等で改善状況が分かる程度のものは「経過観察」ということでしたが、より客観的な判断基準はないのでしょうか。また、指導結果の最終的な判断に際して、議事録等の文書は残していないとの回答でしたが、現在または今後、文書を作成して保存する予定はあるのでしょうか。
【厚生局】
 指導結果の判断は、担当者だけではなく、所長・課長・指導技官・事務官も含めて組織として判断しております。議事録等の文書は保存しておりません。
 
<指導医療官>
5.指導医療官の採用基準について。(第3回懇談:2011年12月15日)
【九州ブロック】
 指導医療官の採用基準は、①臨床経験を有していること、②社会保険、保険診療を正しく理解しており、そのための知識の習得や医学上の専門知識の向上に積極的であること、③指導医療官の職務を公平かつ適切に行い誠実に実行することが認められる方、④経歴や人物等指導医療官にふさわしいと認められる方という基準に沿って面接を行い採用しているとのことですが、九州各県の指導医療官及び保険指導医の採用・委嘱(募集・面接から採用・委嘱決定まで)は、九州厚生局が行うのでしょうか。それとも各県事務所が行うのでしょうか。
 また、例えば、眼科の医療機関の個別指導の際は眼科の指導医が個別指導を行うなど、同じ診療科の指導医が個別指導を行うことができるよう、当該診療科の医師を保険指導医として委嘱しているのでしょうか。
【厚生局】
 指導医療官については、募集・面接から委嘱まで、九州厚生局本局で行っております。また、保険指導医については、募集・面接までは各県事務所の方で行い、委嘱については九州厚生局の本局で行なっております。
 保険指導医は、保険医療機関や保険医の指導とか監査関係業務を円滑に実施するために配置するものという定義になっております。もちろん眼科の保険医療機関の個別指導の際には、同じ診療科の先生が個別指導を行うことができるのが理想ですが、予算の制約やなり手がいないといった地域の実情もあり、全ての診療科ごとに委嘱できていないのが現状です。また、指導を行うにあたり当該診療科の医師が必要か否かの判断については、各県事務所での判断になります。
 
6.九州管内の常勤・非常勤の医師・歯科医師の充足状況と、指導医療官に対する研修内容について。(第6回懇談:2014年10月30日)
【九州ブロック】
 指導医療官の確保が全国的にも非常に困難な状況だとお聞きしております。大学病院等から派遣するなどの対策も講じられておりますが、九州管内の常勤医師・歯科医師及び非常勤医師・歯科医師の充足状況と、指導医療官に対する研修制度があればどのようなことが行われているのかをお教えください。
【厚生局】
 現在、佐賀県、宮崎県、鹿児島県で指導医療官が欠員になっております。欠員になっている県については、保険指導医を委嘱して円滑に指導できるよう努めているところです。引き続き指導医療官の確保に向けてホームページでの公募等の取り組みを行っています。
 指導医療官の研修についてですが、まず、新任の指導医療官がいる場合は、毎年研修があります。また、東日本と西日本に分けて様々な判断に迷う案件を討議等する研修、隔年で本省主催の研修とブロックごとに行われる研修(本省主催の研修を行った翌年はブロックごとの研修というかたち)、あとは、九州管内の中で毎年1回指導医療官を集めての研修を行っています。
【九州ブロック】
 佐賀県、宮崎県、鹿児島県で欠員があるということですけれども、募集にあたってのハードルが高いのでしょうか。それとも応募が無いのでしょうか。
【厚生局】
 指導医療官は国家公務員になりますので、先生方からすると応募するに当たって、処遇面(給与、定年等)が一番のネックになっているものと考えられます。
【九州ブロック】
 国家公務員は兼業禁止の規定があったと思いますが、兼業可にしてはいかがでしょうか。そうすれば、多様な人材が集まりそうな感じがします。
【厚生局】
 若い先生が指導医療官になった場合は、条件付きで兼業を一部認められていますが、それ以外は兼業が認められておりません。
【九州ブロック】
 2014年の懇談時にDPCⅠ群病院が指導医療官を派遣すれば診療報酬へ加算できる取扱いがありましたが、派遣している病院は私立の大学病院が多いのでしょうか。
【厚生局】
 この当時は指導医療官を派遣すると若干加算がありましたが、現在はそのような取扱いがありません。
 
<選定時の類型区分>
7.集団的個別指導及び個別指導の選定における類型区分について。
(第10回懇談:2018年11月1日)
【九州ブロック】
 歯科も医科同様、訪問診療を行っている医療機関は平均点数が高くなる傾向がありますが、一方で歯科は医科とは異なり、類型区分が「歯科」の一つだけです。従って、訪問診療を熱心に行っている医療機関は、結果として高点数で集団的個別指導の対象になってしまいます。地域包括ケアシステムにおいて在宅医療を推進しながら、訪問診療を熱心に行えば高点数で指導の対象になるということになれば本末転倒です。つきましては、歯科の類型区分について、訪問診療の有無を考慮するなど実態に則した区分を設けていただくよう本省に要望としてお伝えください。
【厚生局】
 本省へはいただいたご要望を報告しております。本省でも検討していることは承知していますが、具体的な見直し策定には至っておりません。
【九州ブロック】
 在宅医療での緊急時や夜間、休日の加算点数が高く設定されているのはありがたいのですが、さらに平均点数が高くなるため算定しづらいということもありますので、出来れば早く類型区分を設けていただき、例えば、訪問診療を何件以上行っている歯科医療機関は別枠で行うなどの対応をしていただきたいと思います。歯科の場合は、専門で訪問診療を行っているところは少なく、通常診療の傍らに訪問診療に行っているということでその分、点数も高くなります。また、コロナ禍で受診抑制もあって来院患者のレセプト件数が少なくなり、さらに訪問診療に行くとまたレセプト1件当たりの平均点数が高点数になるというジレンマもありますので、可能な限り早期に類型区分を設けるよう本省にお願いしたいと思います。
 また、歯科も医科と同じように院内処方と院外処方がありますので、前回懇談でも要望したのですが、歯科についても平均点数算出時に点数の補正を設けていただきたいと思っております。
 
<その他>
【九州ブロック】
 令和4年1月25日に厚労省保険局医療課医療指導監査室から各地方厚生(支)局宛に「令和4年度における指導監査等について」の事務連絡が発出されています。その中で、令和4年度の集団指導と集団的個別指導の実施形式は次のようになっております。
(1)集団指導(指定時、更新時、登録時)
実施する。なお、eラーニングによる実施を原則とするが、地域の実情に応じ集合形式での開催も可能とする。
(2)集団的個別指導
集合形式により実施する(感染状況により資料配布、動画配信も可)。
 この実施形式(集合形式or動画配信など)に関して、九州管内につきましては、九州厚生局として管内の方針を決められるのでしょうか、もしくは各県事務所で判断するのでしょうか。
【厚生局】
 集団的個別指導の実施形式については、本省事務連絡に基づき、原則、集合形式により実施することになりますが、感染状況により資料配布、動画配信も可とされています。
 九州管内においては、各県事務所のみで判断するわけではなく、各県の感染状況について、厚生局と各県事務所で判断したうえで、実施形式を決めて指導を行っていくことになります。

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